外観と同じく、建造物の顔となるのが外構です。別名、エクステリアともいいます。外構は、ビルや施設など多くの人たちが利用する建物はもちろんのこと、個人宅である一戸建てやマンションにも重要な役割をもたらしてくれます。また、外構を考えうえで広がりつつ考え方があります。それは「ユニバーサルデザイン」です。今回は、個人宅の「外構・エクステリア」と「ユニバーサルデザイン」について紹介します。
・外構、エクステリアとは
外構、エクステリアとは門や車庫、塀、アプローチなど建物の周りのことをいいます。フェンスや塀などを設けないオープンなタイプ、植栽やフェンスなどで建物を囲むタイプなど、エクステリアの種類は様々です。
・ユニバーサルデザインとは
ユニバーサルデザインとは、商品や環境を作るうえでの考え方のひとつです。この考え方は、障害を持つ工業デザイナーであり大学教授でもあったロナルド・メイスン氏が提唱したものです。ユニバーサルデザインを端的に説明するならば、どんな人にもやさしい商品や環境にするためのデザインといえます。例えば、右利きの人にも左利きの人にも使いやすいデザインといったところでしょう。
・ユニバーサルデザインの外構とは
では、ユニバーサルデザインの外構とはどのようなデザインが考えられるでしょうか。誰もが不自由なく使いやすいデザイン、環境です。高齢者や障害のある人、小さなお子様など年齢やその他の障壁に左右されないつくりです。個人の一戸建てであれば住む人に合わせて外観や外構をつくることができます。子育て世代なら、小さなお子様に合わせ、高齢者の住まいなら玄関までのアプローチを段差のないものにすることも必要です。同世代の住む家であれば、デザインの多様性はそこまで必要ではありません。けれど、何世代にも渡って住む家であれば年齢問わずよりよく住むことができる外構にすることが大切です。そこで考えたいのがユニバーサルデザインを取り入れた外構です。
もちろんその考え方は、一戸建てだけではなく多くの人が利用するマンションでも発揮することができます。様々な人たちが住む集合住宅では一層その考え方は必要になります。
・リフォームの際に考えたいユニバーサルデザイン外構
リフォームの際に取り入れたいのがユニバーサルデザインです。今は元気で不自由のない造りでも、年齢とともに体が不自由になったり介護が必要な家族が増えるかもしれません。そうなると「バリアフリー」が重要になります。バリアフリーが必要なのは住居スペースだけではありません。玄関までの環境にもそれは必要です。
今では初めから住居にもバリアフリーが当たり前の環境が増えてきました。ただしそれは、新しい物件の場合です。リフォームを考えるとなると昔の造り、段差が多い建物もまだまだあります。そこでリフォームの際に住居スペースのバリアフリーと併せて検討したいのが、誰にでもやさしいつくりであるユニバーサルデザインの外構です。
今後、「ユニバーサルデザイン」は当たり前になってきます。それは、環境や商品だけでなくシステムや考え方もそうです。また、人生100年時代といわれる未来がやってきます。長く快適に誰もが住むことのできる環境のひとつとして、外構・エクステリアにもユニバーサルデザインを取り入れてみてはいかがでしょうか。